まだ見ぬ嫁を探して

東京外国語大学卒。 自由に書きます。 猟山主理 @shurinporin

ぼくは一昨年12月に部活動を引退した時、あることを心に決めた。

「卒業する20143月いっぱいまでの期間で、僕自身がどうすれば素直に、一体何に本気になれるのか突き止める」という目標である。

所属先のアメリカンフットボール部での活動は、4年時にリーグ戦全敗に終わった。
その敗因については、個々の身体的能力差や戦局の判断ミスなど、要因は数知れず発見できたけれど、ここでは本質的な問題について触れてみたい。
つまり僕という人間性についての問題だ。

東京外国語大学へ入学した事、アメフト部に入部した事、主将に立候補した事など、学生として数ある選択肢の中からなぜそれらを選んだのか、僕自身はっきり理解していなかった。
また、チーム内で問題や言い争いが起きる度に自分にとって都合のいい解釈ばかりを探しては、自分にとって都合の悪い意見や事実からは目を背けてきた。そのことがチームの統率力の欠如に繋がり、その結果訪れる数々の試練を乗り切れなかったんじゃないだろうか?

突き詰めるならば、僕に「素直さ」というものが決定的に欠けていたということが本質的な失敗の原因ではないか?

引退後に就職活動をする上でこの様に自己分析をした僕は、自分自身にまっすぐ向き合うために、引退してからの1年間、今まで共に過ごしてきた部活の仲間ではなく、新たに出会った他大学の人やこれまで話すことがなかった社会人と過ごすことを心がけてきた。

僕自身のことを知らない人と接したり新たな環境に身を置くことの方が、今まで気づかなかった自分自身を知る上ではより効果的だと思った。

その結果、僕に与えられたチャンスは他大学の友人との就活相談や外資系投資銀行でのインターンだった。そして卒業前に学生として今の僕にできる最後の、自分にまっすぐ向き合う為の計画を立てた。

それが今回の「南極旅」であり、ブログ「まだ見ぬ嫁を探して」だった。


【旅のブログを更新することは苦しみだった】

ブログを書き始めてから、何度か友人や知人から「文章わかりやすいね」と言葉をもらうことがあった。しかしそれは僕という人間を昔から知っているから興味を持ってくれるだけで、僕のことを知らない人がブログを読んで興味を持ってくれるのかということについては、全く自信がなかった。
むしろ旅に出発する1週間前に提出した卒業前最後のレポートさえも教授からは、この内容では点数がつけられない、と再提出を迫られた程の文章力なのだから。
そんな僕にとって人に読まれる文章を書くということは非常に難しかった。

そこで僕はブログを書くにあたって、自らの言動を「よく思われたい」とも「悪く思われたい」とも考えず、ただひたすら正直に自らの言動・思考を書くことによって、読者からの批判や評価を得ようと心がけていた。
それらの批判や評価がどのようなものであるか? また、それらに対して自分がどのように感じ、どのように対応するかを見つめ、自らへの理解を深めようとした。
だから僕は、思いのまま自身の言動を文章に綴ってきた。
幸いにも僕のブログの読者の多くが身近にいたので、反応を見ることは簡単だった。

面と向かって誹謗中傷してくる優しい人間は殆どいなかったけれど、SNSや僕のいないところで陰口を叩かれたり笑いのネタにされていることは小耳に挟んでいた。その中でも明らかな誹謗中傷には傷つき、胃がふつふつと煮え返るのを黙って堪えた。
一方で、明らかな賞賛には喜び、そして同時に次も期待を裏切らないように、おもしろいことをして文章を書かなくてはと、自分では気づかない間に勝手に重圧を感じていた。
以上のように、「まだ見ぬ嫁を探して」ブログを更新することは、僕にとって苦しみだった。


「なにもここまで公開しなくたっていいのに」
「どこの誰かもわからない読者の反応なんかよりも、自分が満足できればいいじゃないか」
そんな身近な人の優しさに接するたびに、僕は自分に言い聞かせた。
そう、自分の目標を達成するために、自分が進んで決めた手段を、目標が達成するまでやりぬこうと。
結果が自分にとってマイナスであっても、プラスであっても、それは自らの言動が起こしたこと。だから、その結果が自分自身であると言い聞かせていた。

そして記事に対するアクセス数やコメント等こそが読者からの評価だと信じ続け、慣れないパソコンや新たな人・企業に対して限りなく正直に向き合う日々が続いた。その結果、以下の事が見えてきた。


【自分のことを理解してくれる人は必ずどこかにいる】

個人の企画に企業が協賛することは滅多に無い。

個人の企画で企業協賛を得た先輩の口からはこの様に言われた。

実際に旅立つ前にいくつもの企業へ南極旅の企画への協賛を打診したものの、ほとんどの会社からは断られた。そんな中で幸運にも複数の企業やクラウドファンディングを通して数十人の個人から協賛を得る事ができたのだけれど、その要因はすなわち、自分がやりたい企画に「共感してもらえるかどうか」だと思う。
そして共感を得るには、企画や発起人のストーリー性が欠かせない。
なぜ僕に支援する必要があるのか、応援したくなるのかといったエピソードだ。
それを最初考えるのが一番最初とても大変だった。
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歳にもなって未だに自分のことをよく知らなかったのだから。
そもそも、他人を説得できる程の立派な人生を歩んできた自信も無かった。
だから、自分の事を知らない人に理解してもらうには、自分から腹を割ってみようと思った。しかし一方で、あまり知らない人に腹を割るというのは、時として顔から火が出るような思いでもあった。それでも懲りずに、
僕自身を理解してもらう為に様々な人に会い、思いの丈をぶつける日々が続いた。


そして初めて協賛してくれる会社が現れたとき、ふと気づいた。
万人に認められなくても、分かってくれる人がいる。それなら、その様な人々を大切にしながら、一人ずつ理解してくれる人を見つけていけばいい。企業協賛を得るべく会社を巡っていた時に、そう考えると一気に気が楽になった。
結果として、決して完璧とは言えないものの僕の想いを理解してくれる人々や会社は現れた。その事が、「南極旅」をやり遂げる上での、最も大きな心の支えとなった。


【最後に】

旅行から帰国しておよそ3週間が経ち、5年間通った大学もついに卒業を迎えた。そしてこれまでを振り返ってみると、年明けからブログの開設、数々の企業へのアタック、クラウドファンディングの実施、出発から帰国まで、毎日を全力で駆け抜けた3ヵ月間だった。

僕の身勝手な欲求に機会を与えてくれた株式会社ゴールドウィン様、エクスコムグローバル株式会社様、株式会社インバイト様、その他名前は公開しない約束で数々の支援をいただいたC社様やR社様やJ社様、クラウドファンディングで支援してくださった皆様、そして身勝手な僕の文章に付き合ってくれた多くの読者の皆様、ありがとうございました。
僕にとって、ここに書ききれないほど多くの利益がありましたことを感謝いたします。
本当にありがとうございました。





時間が許す限り、これからも書き続けたいと思います。

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